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積み重ねてきた時を辿る -品川歴史スポット-

品川駅及び周辺の大規模再開発により、近年、目覚ましい成長を遂げている品川エリア。オフィスビルやタワーマンション、商業施設やホテルなどが建ち並ぶ、東京の玄関口としての機能が期待される注目のスポットです。そんな近代的で華やかなイメージがある一方で、歴史を感じさせるしっとりとした建造物やスポットが多数残っているのもこのエリアの魅力。品川の軌跡を、ぜひ辿ってみては。

大森貝塚遺跡庭園

アメリカから来日した動物学者エドワード・シルベスター・モース氏が1877年に貝の研究のために来日した際、横浜から東京に向かう汽車の窓から偶然発見した貝層、これが大森貝塚です。この時、モース博士によって日本初の学術的発掘が行われたことから、大森貝塚は「日本考古学発祥の地」とも呼ばれています。その後、大森貝塚遺跡庭園の整備などのために行われた発掘調査で、土器や装身具、動物の骨などを大量に発見。この時の発掘資料の一部を「品川歴史館」に展示しています。庭園内には、「大森貝塚碑」やモース氏の銅像、貝層の剥離標本などがあり、縄文時代について学ぶことができます。

品川歴史館

郷土資料の保存と活用、区民文化の向上を目的に1985年に開館した「品川歴史館」。大森貝塚や品川宿を中心にした常設展示では、原始から現代までの品川の歴史を学ぶことができます。また、庭園に茶室、書院を併設しており、伝統的文化活動の場としても利用されています。

東海道品川宿

東海道五十三次の第一宿、「品川宿」。江戸時代に宿場町として栄えた旧東海道沿いのエリアです。北品川から鈴ヶ森にわたって江戸時代と変わらない道幅のまま旧東海道として残っており、現在は商店街になっています。以前このエリアは海辺の漁師町で、江戸前のいきのいい魚介類がとれ、おいしい料理屋がならぶグルメの町でした。また潮干狩りや舟遊び、釣りや花見などが楽しめる行楽地だっただけでなく、寺町なので縁日や祭りなども盛ん。とにかく遊びには事欠かない町、つまりレジャーランドのような町だったのだそう。今も多くの神社仏閣や古い建物が面影を残し、1年365日祭りを中心に動いているといっても過言ではない古風な町「品川宿」。色濃く残る下町らしい人情も魅力です。

旧島津公爵邸

大正時代に「日本現代建築の父」鹿鳴館の設計者としても有名なイギリス人建築家ジョサイア・コンドル氏により設計されたイタリア・ルネサンス様式の洋館。薩摩の島津家が明治以降に東京に所有していたおよそ2万坪の土地の一部に建てられました。1階を接客の場、2階をプライベートスペースとして設計された、当時最先端の生活スタイルを知ることができる貴重な建築です。また、邸宅は戦中の戦災を免れており、階段の手すりや暖炉の彫刻、天井の漆喰装飾やステンドグラスは、ほぼ当時のままの姿を見ることができます。東京都指定有形文化財にも指定されており、現在は清泉女子大学として利用されています。

時代に合わせて発展し続けている品川エリア。古人が残したものを受け継ぎ、未来にいかしていく。それを繰り返し、今の品川があるのではないでしょうか。50年後、100年後、今年誕生した「品川シーズンテラス」も、後世の人たちに愛される歴史的スポットに映るよう、進化を続けていきます。